大人計画『女教師は二度抱かれた』を観た
『キレイ』『ニンゲン御破産』以来のコクーン。いろいろあった松尾さん復帰作とも言える作品を楽しんできた。前作に比べると、大劇場でやるぞーなスペクタクル感は消えて、小劇場の雰囲気をそのまま味わってもらお・・・という舞台のつくりでした。かえって、それが新鮮だったし、松尾さんも原点に戻ろうかなぁ~というのか必然的にそういう時期なのかも、と感じ入りました。

Bunkamura シアターコクーンにて
2008年8月4日(月)~2008年8月27日(水)
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作・演出 松尾スズキ
キャスト 
市川染五郎 大竹しのぶ 阿部サダヲ 市川実和子  
ま、当然他は大人計画の面々。。。そして、松尾さんもでてます♪
(関係ないけど、大人のみなさま、ひとり除いて皆様シェイプアップされておりましたねぇ。芸能セレブで流行りの加圧トレかな?)

なんか最近レビュー書いていないので、さくっと、所感のみ。

モーホな歌舞伎役者の役どころが、阿部サダヲくんなのね。小劇場から売れた新鋭演出家の役が染ちゃん。逆なところが味噌ネ。染ちゃんの役は、松尾さん自身も投影されているのかな・・・という見方もあるけれども。どうなんでしょ。

染ちゃんが、いわゆる歌舞伎の御曹司であられ、大立ち回りやら殺陣やら駆使して花形決められるような新感線ノリな作りでは、まったくありません。そこがポイント。

現代劇、このヒト・・・なんか似合わないのよね。うーむ。
演出が松尾さんだから、、、という色も濃すぎて、その気持ち悪さが乗り移っているんだけど・・・「やっぱり、似合わないで賞」だったかも(そこがねらいなんでしょうが)。でもふがいない感じの主人公の雰囲気は出ていたか。。。

大竹しのぶがね、食っちゃうんですね
とにかく、他がかすむかすむ・・・。

和製シャーリーマクレーン風な衣装がかわいい中年元女教師女優くずれな役どころなんですが、そして松尾さんが描きたかったという『欲望という名の電車』のブランチのその後・・・という設定からして、かなぁり怖いっす。

だからこそしのぶ様しか演じられないのだ、この役は。
あーいう普通っぽい女の人がもっとも「狂」を抱えているかも、という真理がみえてしまう。ホント。

狂気、狂喜の先にあるもの・・・てか。
男と女の本質、人間の不条理、痛いほど感じられるドラマでした。

余談ですが、やっぱり男の人って「女教師>転落」という構図にそそられるんでしょうなぁ。ブランチにしても嫌われ松子にしても・・・。「女教師と教え子シリーズ」とか・・・笑。

大切なことって、とっても簡単に決まったり崩れたりしてしまうってこと。
一行で書けてしまうような出来事で、一生とらわれてしまったり。

新鋭演出家である染ちゃんってね、ちやほやされてモテて飛ぶ鳥を落とす勢い・・・のはずなんだけど。結局、自分が大切に思うヒトに、自分がして欲しいことすらしてもらえない哀しいイン○男という悲壮感でてましたわ~

人間は一生のうちに、どこかに押し込めてしまった罪悪感やしまい込んだものの責任は必ずどこかで負うようになっていて・・・一言で言うと
「人生、それぞれきっちり帳尻あわせかも」
。。。なんてこわーいラストを観て思いましたね。

でもまぁ、そのヘンを深刻につきつめずに、2丁目のゲイバーシーンとからませながら、おもしろおかしく人生って過ぎよう過ぎようとするんだけど、それぞれが抱えているものの暗さは表面上は見えないのよねぇ~なんてなお話でした。笑ったし泣けたしジンときた。

そうそう、それにしてもみんなやっぱり「唄うまいよ」ね。複式呼吸ができてるから。役者さんは。昭和歌謡な唄、シャンソン風な唄・・・よかったわぁ。歌謡ショーな松尾さんのお洋服もかわいかったし。。。なんかポップな水玉が♪
Top▲ | by bonneidee | 2008-08-23 16:40 | review
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